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ブルーカラービリオネア

category : メールマガジン2026 2026.7.31 

ワールドカップが開催され、いつになく盛り上がりを見せていた日本。
今回は残念ながらベスト16になることは叶いませんでしたが、4年後の日本代表に期待したいですね。
梅雨が明けると一気に真夏、それも酷暑が到来するでしょうから、室内でサッカー観戦するとしても水分補給はしっかり行うようにしてください。

「電気工や配管工などの人材がもっと必要だ」リーヴィット米国大統領報道官(2025年5月)

成功のパスポートの代名詞でもあったハーバード・ビジネススクール卒。
しかし近年は、多くの修了生が就職先を見つけられない状況に陥っています。
原因は皆様のご想像通り、本来なら彼らに求められる高度な「分析」業務を、AIが代替し始めたからです。
この流れに拍車をかけているのが、AIによる「成績インフレ」です。
AIを駆使すれば、誰もが一定水準以上の優秀なレポートを提出できてしまうため、学生の真の学力を正確に把握できなくなっています。
「だったら最初からAIを導入すればよくね?」ということになるわけで、学生自身が自らの首を絞めることに手を貸しています。
名門大卒でさえも就職難、学力測定の崩壊といった現象は、米国の大学教育そのものの意義を問い直すことになっています。
高い給料を得られないとなれば、高い学費を払って卒業し、働きながら学生ローンを支払い続ける価値は果たしてあるのかと・・・
そういうわけで学生の一部は見切りをつけ、資格を取得することでホワイトカラー並みに稼ぐことができる「ブルーカラー・ビリオネア」を目指しているようです。

中国に目を移すと、かの国らしいラディカルさで大学改革が進んでいました。
中国の大学では、「AI時代に不要なもの」として、教える学部や学科の淘汰が始まっています。
その主な標的が「経管芸譯」、すなわち経営・管理・芸術・翻訳の4つ。
AIが瞬時にこなせる作業を、人間が4年もかけて学ぶ必要はない、というわけのようです。
いかにも中国らしいのですが、いくらなんでも芸術までAIでOKってのは・・・

そして日本はと言えば、財務省が増えすぎた私立大学を2040年までに250校削減する方針を打ち出しました。
文科省は「機械的判断ではなく分野や地域バランスが重要」と慎重な姿勢を示しており、法的強制力はなく、誘導・支援を通じて段階的に進める政策とされています。
とはいえ、増えすぎた大学の整理にようやく政府として本腰を入れ始めたことは間違いありません。
これら各国の大学で引き起こされている環境の変化は、単なる教育制度の縮小ではありません。
AI時代に起きている「労働価値の大逆転」という、極めて冷徹な現実です。
反対にその価値が高騰しているのが身体的なノウハウや暗黙知が価値を発揮する現場の人材、いわゆる「ブルーカラー」です。
実際、2040年に理工系技術者が100万人不足する一方、文系大卒は30万人以上が職に就けないとの推計も示されており、私立理系への重点支援という形で、教育の現場でも理系・実務系シフトはすでに動き出しています。

日本のブルーカラー不足は深刻です。
食になると、農業、生産工場、外食、ありとあらゆる現場で人手が不足しています。
そこへ追い打ちをかけるように、外国人労働者を制限する方向へと日本政府は舵を切りました。
人手不足でありながら外国人労働者を制限する・・・この矛盾を、現場はどう乗り越えようとしているのか?
例えば、外食産業。
外食産業の人手不足は今更指摘するまでもありませんが、ここでAIによる解決策が急速に模索されています。
配膳ロボットやセルフレジはもはや目新しいものではなくなっており、次のフェーズ、調理工程そのものへの生成AIやフィジカルAIの導入へと移りつつあります。
ここで興味深いのは、「ブルーカラービリオネア」化の動きと、外食産業のオートメーション化が、実は同じコインの裏表だという点です。
これまで調理人が担っていた「暗黙知」・・・火加減を見る、食材の状態を判断する、提供のタイミングを読む、こうした業務の一部は、すでにセンサーとAIに置き換わり始めています。
一方で、その機械を据え付け、保守し、トラブル時に対応する技術者の需要は、むしろ高まっている・・・
つまり「調理の知」はAIに奪われ、「機械を支える知」は人間にしか担えない、というねじれた構造が起きているわけです。
食品の生産工場も同様です。
ライン作業の自動化は進んでいますが、設備保守を担う技術者は依然として人間頼り。
農業も、スマート農業機器の導入は進んでいるものの、結局はその機器を扱い、修理し、土地に応じて調整する技術者が必要とされています。
商品開発や市場分析といったホワイトカラー的業務がAIに代替されていく一方で、生産現場・物流・店舗運営を支える人材の確保は、今後さらに経営の核心的課題になっていくでしょう。

もう一つ、興味深い動きがあります。
昨年、丸亀製麺を運営するトリドールホールディングスが、新設の店長職「ハピカンキャプテン」の年収を最大2000万円にまで引き上げると発表し、話題となりました。
これは全店長の待遇が上がる話ではなく、現場のオペレーション業務を副店長以下に任せ、従業員・顧客の体験価値の最大化に特化する選抜店長職で、現在は全国で5人、3年間で300人へ増やし、うち10人を年収2000万円クラスに育成する計画とされています。
これは「機械を支える知」の話とは少し違う軸になりますが、AIやロボットが現場管理業務を引き受けるようになったことで、人間は「感動を生む接客」「人と人の関係構築」という、AIが最も苦手とする領域に特化していく、という構図です。
「機械を支える人材」と「関係性をつくる人材」、この二つの価値が共に高騰しているのが、いまの外食現場です。
AIに「奪われる仕事」と「AIがあるからこそ必要になる仕事」・・・この見極めが、今後の人材戦略のカギを握ることになりそうです。

※本メルマガは以下の記事をNoteBookLMに入れて下書き→Claudeでリライト→筆者が加筆・訂正→Claudeで最終チェックして作成されました。

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