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食料品の価格上昇は? (食料品価格の上昇は「一時的か、構造的か」)

category : メールマガジン2026 2026.5.31 

ゴールデンウイークが終わり、今年も気温が上昇する季節に入りました。
そして「上昇」といえば、近年私たちの生活に重くのしかかっているのが食料品の価格上昇です。
この食料品価格の上昇は、夏の暑さのように、秋になれば落ち着いていくのでしょうか。
今回は、現在続く食料品値上げの背景と、その行方について考えてみたいと思います。

世界情勢が依然として不安定な中、今年4月には2000品目を超える食料品が値上げされました。
これは、昨年10月以来の2000品目超の値上げであり、その前は2025年7月でした。
つまり、大規模な値上げが短い周期で繰り返されていることになります。
食料品価格の上昇には多くの要因がありますが、私はこの流れが当面、止まることはないと考えています。
その理由として、主に次の5つが要因と考えています。

① 気候変動が“例外”ではなく“前提”になった
猛暑、干ばつ、集中豪雨、大型台風。
これらはもはや異常ではなく、毎年織り込むべき前提条件になりつつあります。
・原料の不作・品質低下
・安定調達の難易度上昇
・水産資源の漁場変化
生産量のブレが大きくなるほど、価格は不安定化し、食品メーカー・流通業者の調達リスクは高まります。

② 世界的な需要構造の変化
世界人口の増加に加え、新興国の経済成長により、食料需要は「量」だけでなく「質」も変化しています。
特に動物性たんぱく質の需要増加は、
・穀物消費量
・水資源
・飼料価格
に多重的な影響を及ぼします。
牛肉1kgの生産に約10kgの穀物と2万リットル以上の水が必要とされる構造は、川上の原料価格が下がりにくい現実を示しています。

③ 人件費・物流費は「元に戻らない」
加工現場・農業現場・物流現場では、人手不足を背景に人件費が構造的に上昇しています。
さらに
・ドライバー不足
・2024年問題以降の物流制約
・エネルギー価格の変動
これらは、食品業界にとって恒常的なコストの上昇として定着しつつあります。

④ バイオ燃料と食料の競合
穀物が「食料」だけでなく「エネルギー原料」として扱われる時代に入りました。
バイオ燃料の拡大は、穀物価格を下支えし続ける要因となり、結果として多くの加工食品に価格転嫁圧力をもたらします。

⑤ 円安と日本経済の購買力低下
食料輸入への依存度が高い日本にとって、円安はそのまま原材料コストの上昇を意味します。
価格交渉力が弱まる中、「これまでと同じ品質・同じ価格」を維持することは、年々難しくなってきています。

打開策として
この状況を打開するためには、食品業界又は日本として、次のような中長期的な取り組みが不可欠と思っています。

日本の食料自給率の向上への関与(現在は約38%)
培養肉や微生物タンパクなど、代替食料の研究開発
エネルギーコストを意識した製造・物流設計
AIを活用した農業による生産性向上
植物工場など、天候に左右されにくい供給モデルの活用

最後に食品業界に携わるものとして
「構造理解の時代」へなってきたのか。
食料価格の問題は、単なる「高い・安い」の話ではありません。
それは、私たち食品業界がどの構造でビジネスを続けるのかという事を問われているような気がします。
価格上昇が前提となる時代において、何を守り、どこを変え、どこに投資するのか。
その判断が、今後の企業価値を大きく左右すると感じています。

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