咀嚼

category : メールマガジン2008 2008.11.1 

朝夕は一段と冷え込む日が続いて,そろそろ暖房の恋しい季節となりました。
お鍋のとてもおいしい季節になってきました。
近頃、カレー鍋や塩ポン酢など色々なお鍋の楽しみ方が増え毎日お鍋でも…(笑)
野菜・肉バランスよくたっぷり食べられますね。
体の中から温められて穏やかな幸福感が得られるのは私だけではないと思います。
たくさんの野菜を摂取して風邪やインフルエンザにも負けない体づくりを心がけましょう

この季節、たくさん秋の味覚を目にします。
11月の別名は「霜月」ですが、「食物月(おしものづき)」の略という説もあるそうですよ。
見るもの見るものがおいしそうで、体重増加におびえながらも、この季節にしか味わえない旬のものを、たっぷりいただいておこうと思います。

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みなさんは食事の際、よく咀嚼して食べていますか?
咀嚼とは、口腔内に運ばれてきた食べ物を飲み込めるように細かく噛み砕くことを言います。
みなさんも子供のころはよく噛んでから食べなさいと親から注意された経験もあるのではないでしょうか。
そこで今回、私自身が近頃ようやく咀嚼して食べることの重要さに気付き始めたこともあり、咀嚼について調べてみました。

古くから日本人は狩をして動物や魚からも蛋白質を摂り、田畑を耕して農作物を収穫し、大麦・黍・稗・あわ・はと麦などの雑穀を主食としてきました。
雑穀は白米と比べて硬く、たくさんの咀嚼回数が必要とされます。
縄文時代にはすでに雑穀を食べており、口腔内で唾液と混ぜて澱粉が麦芽糖に変化するまで咀嚼していたと考えられています。現代人は縄文人に比べ咀嚼回数が少なく、顎骨が細くなり退化しています。

その理由は食事にあります。
幼いうちから軟らかいものしか食べないでいると、顎が発達しなくなります。
現代人より顎が発達していた縄文人や弥生時代の人たちは、1回の食事に行う咀嚼回数は4000回以上、鎌倉時代では約2500回で、江戸から戦前にかけて1500回~1400回に減少します。
現代人はその半分以下の620回。人間が1回の食事に行う咀嚼回数は、概ね1500回以上が理想です。
現代人の咀嚼回数が減ったのは、硬い食べ物を食べる食文化から柔らかいものを好んで食べる習慣に変化したためでしょう。

咀嚼することは、顎を発達させ歯を丈夫にする、噛み砕くことで消化を助ける、唾液の分泌を促進する、このような効果をもたらすと考えられています。ここで、咀嚼することが実際に効果をもたらしている事例を紹介致します。
咀嚼する回数を増やすことで大脳は刺激されます。
これにより認知症の予防につながると考えられています。
最近では健康増進のためにキシリトール入りガムを噛みながらダンベル体操を行うという取り組みを行っている団体もあるようです。また、人間は不快な音を聴くと、脳の扁桃体と呼ばれる部分が反応して活動が変化します。
ところが、ガムを噛みながら不快な音を聴くと扁桃体に変化は見られなくなり、ストレスを緩和しているものと考えられます。スポーツ選手がガムを噛みながら練習に励んだり、試合に臨んでいるのは咀嚼することで集中力を高め、ストレスを緩和するためなのです。

このように咀嚼をすることで、脳に刺激を与え、丈夫な身体がつくられると考えられていますので、みなさんにも是非咀嚼することをお勧めします。昼休みなど忙しくて食事をゆっくりとっている暇がない方は、まずは自宅で食べる夕食から始めてみてはどうでしょうか?
腹もちも良く、間食が必要なくなるのでダイエット効果があるかもしれませんよ。

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