農林水産研究成果10大トピックス
あじさいの花が所々に美しい季節となりました。
今年は梅雨入りが全国的に平年より遅くなるようです。
あまりしとしとと降って欲しくはありませんが、恵みの雨が降らないと水不足は大変困ります。
最近、日本では食品に対する消費者の関心が高くなっており、単に値段や色、形だけでなく、生産の由来や、加工、流通方法にも関心を寄せるように なっています。
このような意識の変化は、食品に対する「安全」、「安心」から、「食品」または「食」そのものについての理解を高め、真に優れたものを食することに取り組む運動へとつながってます。
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皆さん毎年年末に農林水産省から発表されている、「農林水産研究成果10大トピックス」をご存知ですか?
(http://www.s.affrc.go.jp/docs/10topics.htm)
農林水産省によると
<独立行政法人研究機関、公立試験研究機関、大学及び民間の研究成果でこの1年間に取材等で新聞記事になったもので、農林水産研究開発の内容に優れ、社会的関心の高いと考えられる成果10課題を農業技術クラブ
(農業関係専門紙・誌など30社加盟)の協力を得て、選定いたしました。>となっております。
毎年毎年新しい技術、研究成果がまとめられており、「へぇ~知らなかった。」ということや、
「そういえばこの前記事になってたな」と思うようなものまで、社会的関心度が高いとしておりますので、
非常に面白いトピックスになっております。
さて2008年は・・・
1.蛍光色を持つ高機能絹糸・繊維の開発に遺伝子組換えカイコを用いて世界で初めて成功
2.産卵海域で成熟した親ウナギの捕獲に世界で初めて成功
3.生きた牛に音の刺激を与えた時の脳波の一種から、BSEの臨床診断に役立つ方法を開発
4.養豚で発生するリンの再利用技術を開発
5.飼料イネを活用した繁殖和牛の周年放牧による合理的な農地利用法を開発
6.イネ科作物の葉の表面などに生息する微生物が生分解性プラスチックを効率よく分解
7.農作業の負担を大幅に軽減する「ロボットスーツ」を開発
8.玄米反収が800kgを超え飼料米用品種として有望な「モミロマン」を育成
9.植物が病原菌から身を守る免疫反応の指令役となるタンパク質をイネで発見
10.肥料を大幅に削減できる露地野菜向け部分施肥技術の開発
以上が2008年10大トピックスです。
その中でひとつ、「産卵海域で成熟した親ウナギの捕獲に世界で初めて成功」という記事これを去年聞いた時、恥ずかしながら、ウナギの産卵場所や詳しい生態がわかっていなかったことを私自身がわかっておりませんでした。この発見により、100%天然資源に頼っている養殖種苗を人工種苗に置き換え可能な種苗生産技術の開発が期待されているようです。
実は今年も調査に行っているようです。太平洋(マリアナ諸島西方海域)に向けて5月18日に「開洋丸」が調査へと出港しております。さらに詳しいことがわかるのでは無いでしょうか。
数年後の土用の丑の日には、さらに数段レベルアップしたうなぎが安く食卓に並ぶかも知れませんね。
今回はうなぎの件を取り上げましたが、他にも新発見・新技術が目白押しなので皆様も一読されてはいかがですか?