ウナギと日本の漁業
category : メールマガジン2012 2012.8.1
稚魚の不漁がウナギ高騰の原因と言われています。
では、なぜ稚魚が不漁なのでしょうか。
原因としては、エルニーニョ等の天候不良や乱獲があげられています。
中でも乱獲の影響が大きいのではないでしょうか。
乱獲されて漁獲高が減少している魚としてサバがありますが、
サバはスーパーに1年中並んでいます。
旬は秋ですので、この時期の近海物のサバはおいしくありません。
一方、輸入品の冷凍サバは、ほぼ1年中並んでいますが、脂ののりもよく
品質が安定しています。
この違いは、日本と北欧の漁業に対する考え方や制度に原因があるようです。
日本では大漁旗からも見て取れるように、大量に獲ることに主眼が置かれています。
一方、北欧の漁業大国ノルウェーでは、高く売れることが重要なのです。
ノルウェーでは「個別割り当て方式」により、船ごとの漁獲量が決まっています。
つまり、大量に獲っても安ければ、売り上げは減少し、収益が悪化します。
そのため、価格が下がらないように分散して水揚げしたいと考るようになります。
また、分散して水揚げされることで、そのあとの処理もスムーズになります。
処理がスムーズになれば鮮度があがりますので、品質、価格ともに高めることが可能です。
「個別割り当て方式」は個々の船を管理する必要があるため、コストがかかります。
しかし、持続的な漁業を進めるためには、受け入れる必要のあるコストだと思います。
世界第6位と広大なEEZ(排他的経済水域)を持つ日本、漁業の復活に期待したいですね。