繁盛店の秘密
大型台風がダブルで接近する少し前の10月下旬に巷で評判(TV、雑
誌、書籍)の『かき氷屋・埜庵』さんへ行って参りました。
この夏に読んだ『なぜ、真冬のかき氷屋に行列ができるのか?』日
本実業出版社 著者:川上徹也、石附浩太郎 を読ませていただき、
非常に興味を持っていたお店で、なぜ行列=繁盛するのか?を確認
(試食)することが目的でありました。
その題名とは季節的にも(冬ではなく秋)曜日も(土・日ではなく
水曜日)時間も(14時30分)全く条件が違う時に行ってきました。
失礼ではありますが、この不便な場所(神奈川県藤沢市鵜沼海岸)
で、しかも住宅街の小さなお店。2階には若いカップルはもちろん
若い学生グループや中年女性1人(但し経営者と談笑しており常連
?)、あまり若くない男性でも1人で来られている方(私以外にも)
で各テーブルはほぼ満杯で、オーダーの順番も私の前に6人がおら
れ、作り立てを1階の注文カウンター兼厨房から持ってきて貰えた
のは20分後でした。(この20分は大阪⇒東京⇒現地の移動時間
を考えたら少しの時間)
わたくしの注文したかき氷(800円)は、周りの皆さんが注文し
ていた物(季節のかき氷=ぶどうのソースやゆずソース)とは全く
違うキャラメル・ミルクと非常に甘くまったりしたものを頼んでし
まったと思いましたが、あに計らんや少し苦味走った大人の味がし
ました。
しかも塩(岩塩?)が別皿に盛られており、オリジナルの特製キャ
ラメルソースとその塩をミックスして食して下さいとアドバイスも
頂きました。そうすることで甘味が増しておいしくあっさりと頂く
ことができました。(味覚のマジック?)
大盛りのかき氷ではありますが、器(盛鉢)からボロボロと崩れて
お盆やテーブルにこぼれるでも無く、氷自体のふわふわ感と削り方
にプロのテクニックがあることが伺えました。
著書のなかでは、かき氷を削る人のことを「削り人(けずりびと)」
と呼び、やはり適性があるということで、その適性のありそうな
人にひたすらトレーニングをするとのことです。1年中かき氷しか
出さないというプロの成せる業なのでしょうか。
そして、この日はあいにく台風27号の影響で曇天でしたが、今より
ももっと寒い冬でもガタガタと震えが来たり頭が痛くなったりする
ことが無いよう、絶妙に氷自体の温度を上げて(マイナス2~5度
くらいにして)発泡スチロールの箱で12~20時間くらい置いてから
使用するそうです。氷にも段取りやレシピがあるのですね。
著書の受け売りもございますが、この小さなお店(埜庵)が『ノア
ラー』なるファンを生み出しリピーターによる売り上げと、一度だ
けの1000人の顧客よりも10回通うお客様を100人築く店が合ってい
ると経営者の石附さんが考えていることがこのお店に反映されてい
ることに少し触れたように思いました。