ソバーキュリアスのすゝめ
暑さを感じることも増え、ビールの美味しい季節が到来しました。
ソバーキュリアスは数年前から頻出するようになった概念で、単純にはノンアルコール飲料を飲んだり飲酒を控えることです。
この考えはこれまでもありましたが、以前はノンアルコール飲料に対する心理は運転するから飲めない、医者に止められたからやめるなど後ろ向きの思考が主でした。
ソバーキュリアスはその反対にノンアルコールを前向きに楽しもうという概念です。
語源からもそれは明白で、原語ではsober curiousと書き、sober(しらふ)とcurious(好奇心が強い)を組み合わせた造語です。そういった考えを受けてか、2021年にビールメーカーからアルコール度数1%未満のビールやアルコール飲料が上市されました。
サッポロ The DRAFTY 2021.09.14
https://www.sapporobeer.jp/news_release/0000012858/
アサヒ ビアリー 2021.03.30
https://www.asahibeer.co.jp/news/2021/0106_4.html
アサヒ ハイボリー 2021.09.28
https://www.asahibeer.co.jp/news/2021/0713_2.html
ビアリーは発売後しばらくして飲みました。
ノンアルコールビールと違ってビールと風味は遜色なく、おいしさを感じました。
その時は酔うことへの忌避感は薄かったのと味が好みには合わなかったので、それ以上手に取ることはありませんでした。
キリンビールはこの分野では沈黙を保っており、「SPRING VALLEY」や「晴れ風」を上市するなど「ビールでやっていくんだ」という気概を勝手に感じております。
SPRING VALLEYと晴れ風のどちらも飲みましたが、SPRING VALLEYは飲み口が重め、晴れ風は飲み口が軽めとターゲットが分かれているなと感じました。
閑話休題、イオンからも昨年、今年と続けて同じコンセプトの製品が上市されました。
製品サイト
https://www.topvalu.net/tv-craftail/
イオン トップバリュ クラフテル 2023.08.31
https://www.aeon.info/wp-content/uploads/news/pdf/2023/08/230831R_2.pdf
イオン トップバリュ クラフテル BAR-ish 2024.02.28
https://storage.topvalu.net/assets/contents/pdf/899/release20240228104956105.pdf
残念ながらどちらも口にしたことはありません。
カクテルの種類にもよりますが、一般的にはアルコールが入ることで後味のキレが良くなるとされています。
サントリー「のんある気分」などで、そのあたりは既に表現されていますので、そのような既存品とどう違うのか興味があります。
また、この流れは外食でもあり、「モクテル」なるノンアルのカクテルを提供している店舗があります。
コロナ禍の時短営業下では昼間のノンアル営業が助けになった店舗もあるようで、バーの雰囲気を楽しみたいがアルコールは飲めない、飲まない層の取り込みに一役買ったようです。
昼間だと未成年も来店できますので、大人の気分、雰囲気を味わいたい未成年も多かったのではないかとも推測します。
一言でいうと「映え」たということでしょうか。
https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20231115-OYO1T50045/
https://www.yuasasyouyu.co.jp/%E9%A3%9F%E3%81%AE%E7%8F%BE%E5%A0%B4%E3%81%8B%E3%82%89/%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E7%A6%8D%E3%81%AB%E3%80%81%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%8A%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%96%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%92%E8%B5%B7%E7%88%86%E5%89%A4/
ソバーキュリアスはタイパの流れを汲んでいるだろうなと想像しています。
アルコールを摂取すると、その後しばらくアルコールの影響があるのでタイムパフォーマンスが悪いという感じでしょうか。
個人的には缶ビールを1本飲むと眠くなるため、代わりに炭酸水を飲んでいた時期がありました。
中でも硬水の炭酸水は口当たりが異なり、筆者にっとってはビールの代替に十分なり得ました。
そういった層も少なからずいるので、ソバーキュリアスを取り入れる可能性のある層は思ったよりも広いかもしれません。
これまで外食や中食の惣菜類はご飯やアルコール飲料に合うことを前提で味付けを行ってきました。
これからはそれに加えて、レモン味のノンアルコール飲料に合うから揚げ、オレンジ味のノンアルコール飲料に合うポテトサラダなど、ワインのペアリングやマリアージュのような考えを取り入れた味付けも必要になってくるでしょう。