土用の丑の日
7月には土用に丑の日がありますが、
私も含めてうなぎのかば焼きを食べる日というくらいしか
知らない人も多いのではないでしょうか。
うなぎと言えば、子供のころに田舎の川で、はえなわという仕掛けでうなぎを獲ったことがあります。
まず畑の土を掘り起こしてとったミミズをエサに、竹竿で小魚を何匹か釣ってきます。
1m位の長さの釣り糸十数本に釣り針を付けて、
それらを数十mの長さの糸に適当な間隔で結び付けた仕掛けに、
釣ってきた小魚をぶつ切りにして、仕掛けの釣り針に外れないようにつけます。
それを夕方に川の端から端まで石などに結び付けて垂らしておきます。
一晩おいて、翌朝それを引き上げると、仕掛けの釣り針にうなぎが食いついて掛かっているときがありました。
その当時も都会ではうなぎは結構な値段でしたので、
タダでうなぎが食べれるというので、うれしかったのを覚えています。
獲ったうなぎを祖父が慣れた手つきでまな板の上にのせて、
うなぎの頭の下あたりに釘を打ち込み、
包丁で胴体を開いて内臓と骨を取り除き、適当な大きさに切って、七輪の炭火で焼いたのを食べました。
今考えると国産天然うなぎの炭火焼きで、さぞおいしかっただろうと思いますが、
あまりおいしかったという記憶はありません。
うなぎは養殖の方が、丸々と太っていておいしいのでしょうか。
昔は田んぼにもうなぎがいたとのことで、それほど珍しくもなかったようですが、
年々数が減少して高級魚になってしまいました。
スーパーで売っている中国産のうなぎは、国産よりも安くて大きいですが、
値段が高くて小さい国産の方を1匹、土用の丑の日にだけ買ってきて、家族で分けて食べています。
その一切れ二切れのうなぎを食べる度に懐かしい川の情景が思い浮かびます。
今では田舎の川も以前には全くなかった川エビ漁の仕掛けがあっちこっちにばらまかれてあったり、
小学生のプール用に舗装された箇所ができていたり、昔の面影が無くなってきているのは寂しい限りです。