大谷翔平と食
東京オリンピックがとうとう終了してしまいました。
日本のメダル数は、開催国ということを差し引いても
十分満足できるものだったのではないでしょうか。
しかし、つくづく残念だったのは有観客でなかったことです。
自国開催でありながら、応援してくれる人がいないというのは、
選手のモチベーションに大きく関わります。
有観客であれば、もっとメダルが取れただろうに・・・
3年後のパリではコロナ禍が終息し、有観客で開催されることを期待したいです。
さて、オリンピックは終わりましたが、一部アスリートの戦いは続いています。
中でも皆さんが注目しているのは、MLBエンゼルスの大谷翔平選手ではないでしょうか。
昨年までのレベルスイングを改め、アッパースイングにして
バレル率を上げることで驚異的なペースで本塁打を量産し、
日本人だけでなく米国人をも熱狂させています。
かつて近鉄で活躍したブライアント選手を彷彿とさせる、
一撃必殺のフルスイングから繰り出される本塁打は美しいの一言。
ミートの際の球場に響き渡る鈍い衝撃音は、ボールの断末魔のようにも聞こえます。
フライボール革命の弱点である高めのフォーシームも本塁打、
長い手を活かして、外角低めに落ちるシンカーも本塁打。
ピッチャーからするとまさに「投げる球がない」という悪夢の状況。
本塁打王と打点王の二冠も決して夢ではありません。
片やピッチングは、代名詞ともいうべき100マイルフォーシーム、キレキレ変化球は相変わらず。
フロントドアやバックドアの使い方もうまくなり、
ピッチングの幅を広げることで、こちらも更なる進化を遂げています。
足も速く、塁に出ると積極果敢に盗塁を試みていますので、
これはどうみても30-30狙ってますね。
投げて打って走っての姿に、全米で人気が沸騰するのも無理はありません。
同じく二刀流だったベーブ・ルースの再来だ、と騒がれています。
MLBのレジェンドたちもべた褒め。彼らが記念写真やサインをねだっています。
なぜここまで本塁打を打てるのか?100マイルのボールを投げられるのか?
ミもフタもないことを言ってしまえば、その恵まれた体格です。
身長193cmは他のMLB選手と何ら見劣りしませんし、むしろ高いくらい。
三冠王3度の落合博満氏は、身長によってボールの見え方が変わるため、
高身長のほうが有利だということを言っていました。
打者で有利なら投手でも当然有利なはずです。
このような肉体はどのようにして形作られたのでしょう?
アスリートはなにより体が資本。そして肉体は食によって作られる。
食べることもお仕事の一つなのです。
大谷選手の母校、花巻東高野球部には「食事トレーニング」があり、
大谷選手はそのころからみっちりと食について学ばされてきました。
そのときの経験が今ようやくを実を結んだということでしょう。
以下に大谷選手の食に関するエピソードをまとめてみました。
・小さい頃は食が細かった
・高校3年間で20kg増量(1日ごはん13杯)
・食に対するこだわりはさほどないが、クレープは好き
・プロテイン摂取などを含めて1日6食
・1日4500kcal摂取
・豚ヒレ肉・鶏胸肉・ささみなど蛋白質が多く脂質が少ないものを
・外食はあまりせず、ほとんど自宅で自炊
・食事に関しては管理栄養士を通じてかなりの勉強家
・お酒はほとんど飲まない
・グルテンフリーを実践中
こう見ると、他のアスリートたちとあまり変わらないような。
イチロー選手のカレーのようなエピソードもなく、至ってフツーな内容。
そうなると練習の仕方にあると思ってよさそうです。
落合氏は、
「本気で二刀流をやるなら、最低でも倍は練習しなければならない。
そうしたら、練習後はバタンキューになるはず。
インタビューに答えられるとは練習量が足りないな」
と指摘していましたが、おそらく大谷選手は皆が分からないように
練習をしているに違いありません。
「お前らが休んでいるとき、俺は練習している。
お前らが寝ているとき、俺は練習している。
お前らが練習しているとき、当然俺も練習している」
これは50戦無敗で5階級制覇したフロイド・メイウェザーJrの言葉ですが、
きっと大谷選手もこれぐらいは実践していることでしょう。
さすがに寝ているとは思いますが。
とにかく大谷選手には是非とも本塁打王をとっていただきたいです。
できればおクスリ疑惑なしの本塁打記録ロジャー・マリスの61本を塗り替えてもらいたいです。