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食品ロス削減

category : メールマガジン2018 2018.9.30 

食品ロスとは「本来食べられるのに捨てられる食品」のことを言います。
日本の食料廃棄物などは年間2842万トンでそのうち食品ロスは646万トンとされています。
食品ロスのうち、家庭からの廃棄物は約289万トンとされ、国民一人当たり換算で平均で約50kgを1年間で捨てていることになります。
世界全体の食糧援助量は約320万トンで世界全体の食糧援助量より日本の食品ロスの量が上回っている状況です。

そんな中、気象情報を使って食品ロス削減をするという取り組みが行われています。
一般財団法人日本気象協会では天気予報で培った最先端の解析技術で商品の需要予測を行い、食品メーカーでの「作り過ぎ」を抑えて食品ロスを削減するというものです。

豆腐メーカー協力のもと「寄せ豆腐」で実験したところ、約30%食品ロス削減を実現しました。
豆腐は、冷蔵が必要であり、賞味期限が短く、日々生産する商品です。
賞味期限が短いためスーパーなどの小売業者が発注するのは仕入れの前日です。
ですが、豆腐の生産は、大豆を水に浸してから完成するまでに2日かかります。
そのため製造メーカーは発注が来る前日に100個の豆腐の発注があるだろうと見込んで生産します。
ただ、スーパーなどの小売業者から80個の発注しかなかった場合、残った20個が廃棄、食品ロスとなります。
また、スーパーなどの小売業者も80個発注したものの実際売れたのが70個だけだった場合、10個は賞味期限が過ぎれば、廃棄となり食品ロスになります。

そこで気象データを活用した精度の高い需要予測情報の提供と、製造業、卸売業、小売業の間での情報共有化です。
気象予測とAI(人工知能)を使い、過去の「どのような天気」に「どのような商品」が「どれだけ売れたか」という関係を分析することによって、気象予測に基づき「いつ」「どのような商品が」「どれだけ売れるか」を、2週間先まで高い精度で予想することができるようになったそうです。
これで前日に発注していたスーパーなどの小売業者も前倒しで発注ができるようになり、製造メーカーも前倒しでくる発注を受けてから製造でき、廃棄を削減することが出来ます。

「冷やし中華つゆ」などでも実験を行い、20%弱削減できたそうです。
また、このシステムを応用し、外食産業でも食品ロス削減を行う動きがあります。
外食産業の場合は雨の日は来客数が減ったり、キャンセルが多くなったりするので、「どのような天気」に「どれぐらいお客様が来るか」を予想するシステムのようです。
こちらはまだこれから実証実験を行う段階のようです。

大量生産大量消費の時代ではなく、必要な人に必要なものを必要なだけつくる時代になっていくのかもしれません。

もったいない!食品ロス(独立行政法人国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-201706_07.pdf

COLUMN7 気象情報を活用した食品ロス削減の取組(消費者庁)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/2017/white_paper_column_07.html

Society5.0の超スマート社会実現に向け3社で実証実験を開始(一般財団法人日本気象協会)
https://www.jwa.or.jp/news/2018/08/post-001055.html

食品ロス削減関係参考資料(消費者庁)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/efforts/pdf/efforts_180628_0001.pdf

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