活力とバランス
category : メールマガジン2016 2016.5.31
本年の熊本地方を震源とする一連の地震により、 犠牲になられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、 被災されたすべての方に心からのお見舞いを申し上げます。 生命活動を営む上で動植物はその内部での物質交換と外部との物質のやりとりを行っています。 いわゆる「食べる」という行為により生命を維持しています。 植物であっても根から水やミネラルを摂取し光合成によってエネルギーを変化させています。 人間も摂食からの代謝によって活動するためのエネルギーを蓄積しています。 このように動植物が活きていくために外部からのエネルギー摂取は非常に重要なことです。 人間の世界において生命活動に必要な摂食が十分に行われていない「飢餓」の状態が発生しています。 しかしながら世界の食糧生産量から見ると食料が足りていないわけではなく、 「行き渡っていない」状態が発生しているのが原因とのことです。 この状況はちょっとした状況の変化で先進国でも簡単に発生してしまう可能性があります。 現在の情報化社会では昔に比べ伝達能力が格段に上がっているため、この「供給」要件に対して 昔よりも素早く対応することが出来るようになってきております。 しかしながら初動のみの情報で供給要件に対応し続けた場合に需要と供給のバランスが崩れます。 つまり逐一の情報のアップデートを損う事で別の問題を引き起こしてしまうということです。 少し視界を広く取り局所的な問題への対応と同時に影響範囲をとらえることが出来るようになれば 世界はもっと豊かになるのではないかと思います。 さて、世界の人口増加に伴う食糧問題が長期にわたって懸念されております。 実際のところ今まで食べているものがすぐに食べられなくなるなどの問題は 身の回りでは起きていませんので意識的に薄い問題にとらえられることが多いのではないかと思います。 しかし、広く問題をとらえ対応を検討する機関では昆虫食の勧めや新たな食糧を生み出す実験、 品種改良などが進められています。 タンパク源となる肉や魚は、出荷できる大きさに育てるために、莫大な時間と飼料が必要となります。 そのコストダウンのため素早く、効果の高いものを探したり、目指したりしている今日です。 そんな中、国連の機関であるFAO(国連食糧農業機関)が、栄養価(高タンパク)と環境負荷の点から 食用とされている昆虫について言及したことから、食用昆虫への評価が高まっています。 個人的には昆虫食は苦手意識があります。苦手な方の方が多いのではないでしょうか? 昔から佃煮などで昆虫が食材として使用される料理はありますが、あまりなじみ深いものではありません。 実際に昆虫を主食に食べる時がやってくるかどうかは分かりませんが、その時は恐らく アンバランス が発生してしまっているのではないかと思います。 競争化社会において需要と供給のバランスを見極めるのは非常に重要なことですが、 こまめに情報のアップデートを行い、方向性の修正を行うという難しい世界に 無意識化に突入していっているのではないかと感じています。 非常に忙しないことで、もしかすると普通の事なのかもしれませんが、 「常日頃の情報のアップデートがよりよい明日を創っていく糧になる」そういった未来において、 需要と供給の最先端に直面する人は視野を広くとって後続を導いていただきたいと願っております。