世界を救う切り札?
category : メールマガジン2016 2016.3.31
春の息吹がひそやかに心へと染み渡る季節になってまいりました。 年を負うごとに活力あふれる春への渇望が大きくなってまいります。 「自然」を自然に感じることが出来る「春」を喜びとして噛みしめながら迎えたい… と思っておりますとこのような記事を見つけました。 ~ステーキは実験室からお届け-開発進む培養肉~ 3人の科学者が設立したサンフランシスコのメンフィス・ミーツは、 3~4年後にはスティール製タンク内で動物細胞から培養した肉を販売する最初の企業になることを目指している。 モサ・ミートやモダン・メロウなどのライバル企業も、同じく数年後にこうした「培養肉」の販売を狙っている。 (ウォールストリートジャーナルより) 「自然」とはかけ離れた、スチール製タンクにて作成する「培養肉」 それはそれで非常に興味があります。 2013年にロンドンで世界初の培養肉を使用したハンバーガの試食会が行われました。 このハンバーガーは、オランダ・マーストリヒト大学のマルク・ポスト氏が開発したもので、 牛の幹細胞を培養し、3カ月かけて作った筋肉組織2万本分を使用したものです。 こちらのハンバーガーの1個の価格は、研究費込みで33万ドルと言われております。 参加者の感想をまとめますと、 ・食感は通常の牛肉ハンバーグに近い ・脂肪分が全く感じられない ・味は少し違う というような評価のようです。 味や食感は後程改良が出来るとして、実際に培養により肉と同様な「食べられる培養肉」が出来たという事は 非常に重要ではないでしょうか。 国連によると現在の家畜産業が全世界の穀物の3分の1を消費し、土地の4分の1が牧草地で有ると発表しております。 今後の人口増を考えますと、さらにこれらの消費が増えることが大きな問題で有ることは明白であると考えられます。 そういったことも踏まえ、20年後には流通する多くの肉が何らかの「培養肉」になるだろうという専門家もいる位です。 現在これらの「培養肉」に対する取り組みは、その他の食糧不足に対する取り組みの一つかも知れません。 しかし「培養肉」の取り組みに、例えばグーグルの共同設立者が資金を提供したりと、投資家の間でも話題になっている という話を聞くと、もしかすると20年後の話もあながち外れていないのでは…と考えてしまいます。 個人的にはどうしても「培養肉」という文字が人工的以外の何ものでも無く感じてしまうので、 例えば「パーフェクトミート」とか「ヘルシーミート」とかネーミングを変えれば、 少しは違和感無く迎えられるかも知れません。 今後の世の中では「培養肉」こそが「自然」な形になるかも知れませんね。