高齢化社会での食
先月に敬老の日も過ぎ、秋冷の心地よい季節になりました。
今回は、現在日本が直面している課題の一つに、高齢化社会での
食について考えてみました。
日本の高齢化は、その規模や速度において歴史上類をみないもの
で、今後はそれを前提にした新たな社会を考え、高齢者が快適な
生活を営むことができるように社会のあり方を変えていくことが
必要となります。
日本社会の高齢化についての最大の問題は、高齢者の生活上の願
望を満たす商品・サービスが極めて乏しく、高齢者が生きがいを
持ち、生きているということに充実感を感じ、毎日の生活を楽し
むことができるような環境条件が整備されていないことなのです。
そもそもこういう問題について、今まで社会の関心が払われてい
なかったのですが、今後は世界でも類を見ないほどの大規模な高
齢者向けの市場需要がさまざまな分野で生まれる国になるのです。
そして、今回は我々が関係している食の分野について考える上で
の10項目を上げてみました。
1、商品に安心感を持たせ、安さより価値を求める
・会社(又はブランド)やお店又は店員等から、
心から信頼できる商品を選ぶ
・美味しさであったり、こだわりであったり自分の価値を
持って購買する
・健康で自然なものそして環境によいものを好む
2、お得感を持たせる
・通販であれば、送料無料、有意義なおまけ
3、高学歴が増えていく
・感心の幅が広がっている
・インターネットができる割合の増加
4、都会人である
・高齢者の総人口は圧倒的に都会が多い
5、習熟消費者である
・良いものを購入する目を長年の経験で持っている
・洞察力や判断力が若い時より増していると思っている
6、オピニオンリーダー(団塊の世代)
・ファッションでは、ジーンズやアイビールックそして
ミニスカート等取り入れてきた
・食の分野では、インスタント食品、外食産業への需要増
加等を定着させてきた
7、時間消費者である
・シニアは、時間を消費する
・料理教室や少し手間がかかるが本物の味が楽しめるよう
な商品
8、男性より女性
・女性の方が男性より長生きのため、高齢化が進むほど
女性人口シェアが高まる
9、便利で快適で気軽
・コンビニ志向で毎日行きたくなるような喫茶スペース
・高層マンションでは、宅配サービスを好む
10、カッコよさの市場
・今のシニアの女性は死ぬまで女としての美しさを追求
している。
そのため男性も含めてアンチエイジングやダウンエイジ
ング商品市場が拡大する。
・若さに訴えかけるコピーがよい(生き生きしている、
心にはりが出る等)
日本は世界に先駆けて高齢化が進行する高齢者社会先進国です。
高齢化という問題は日本だけのものではなく、先進国も同様に抱
える問題であり、いずれは新興国(インド・中国等)も直面する
世界的な課題であるのは間違いないのです。
そこで、高齢者向け食品を開発すれば世界に向け売る事も考えら
れます。
沢山いる師匠の中の一人、ピーター・F・ドラッカーは、世界に
先駆けて高齢化社会に対応した新商品や新産業ができれば、いち
早く世界に発信ができ「日本はもう一度世界をリードできる」と
述べていました。
これは、食の分野でも言えますし、今考えるチャンスであり、
試すには絶好の市場でもあります。
日本の食の世界は前途洋々であるのではないでしょうか。