衛生関係も情報のアップデートを
3月に入り、いよいよ春の訪れを感じるようになってきました。
今年は暖冬でしたが大雪もあったりと調子が狂いやすいような冬だったように思います。
その為か、例年より「アレ」が早く来ているような。。
薬のタイミングを間違えて、つらい季節になりつつあります。。
何事も準備がやはり大切ですね。
食品衛生法の改正に伴う経過措置期間が、いよいよ今年の5月いっぱいとなります。
色々と変わりましたが、皆さんは順調に対応されているでしょうか。
これにあわせるようにSNS等でちょっとしたニュースが話題になっていました。
〇道の駅、直売所から漬物が消える? 食品衛生法改正で「地元のお年寄りは設備投資できない」
https://www.dailyshincho.jp/article/2024/02060556/?all=1
一方、その前から危機感をもっていた「いぶりがっこ」については
〇食品衛生法改正で「いぶりがっこ消滅危機」報道から一転、秋田県横手市“伝統の味”が死守された舞台裏
https://www.ben54.jp/news/860
と対応できる、できない(かも)にくっきりと分かれるようになってきています。
前者については、特徴のあるものが食べられなくなる!という反対意見も多く、その要望もわかります。
ただ、何故食品衛生法が改正されて厳しくなったかというと、そこには背景(漬物は死者を出した食中毒事故があります)があるのであって、
理不尽なだけではないんですよね。
こういった事を甘くみていると、昨年の展示会で出展した焼き菓子に関連する回収事故(原因菌は無し)のような大きな事故がおきかねません。
そういう意味でも情報は早めに入手し、アップデートを随時していかねばなりません。
お客様ともこういう話をすると、「HACCPは義務化対応しているし、過去に研修受けた人もいるから問題ない!」という事を仰るので、
「Codexの改訂にもあわせた最新の対応をされていますか?」と聞くと「??」という顔をされることがあります。
Codexでは食品衛生の一般原則を出しており、世界中の食品衛生の原則となっています。その中にご存じのHACCPの手法の「7原則12手順」も提示されています。
このCodexの食品衛生の一般原則が2020年に改訂されました。つまりHACCPの考え方が改訂されています。
ちょうど日本では義務化されたタイミングです。
変更点で大きな所は簡単に説明すると、HACCPにおいては、「一般衛生管理」と「CCP(重要管理点)」で管理を行いますが、
その一般衛生管理の中で、「より注意が必要な一般衛生管理」を選び出して、CCPと同じように管理するようになった、というものです。
(greater attention と呼ばれています。)
ただ、一般衛生管理に該当するものなので、CCPのようにモニタリングできたり、管理基準を明確に出せるもの、ではありません。
そういったものに対してもより注意をもつ必要が出てきている、ということです。
これは、HACCPを運用しているとCCPは皆さんしっかりと意識するけど、一般衛生管理は少し疎かになりがちで、
この一般衛生管理由来での事故が起きていることが少なくない為に、設けられたようです。
国際基準では、このCodexの食品衛生の一般原則の改訂は常識になっています。つまり、今後はこの考え方が必須になってきます。
長くなるので割愛しますが、国際認証のISO22000、FSSC22000の認証においてもHACCP部分はCodexのHACCPが原則となってくるので
この考え方を行っていく必要があります。
現在、農林水産省はかなり食品の輸出を推進しています。輸出にHACCPは必須です。つまり、この考え方で進めないといけなくなっています。
将来を見据えていくのであれば、早めに情報のアップデートを行い、こういった事も対応できるようにしていきましょう。
弊社では実施していませんが、HACCPの最近の講習会はこのCodexの改訂に対応したものになっています。
より詳しく理解等できると思いますので、対応できていない方は積極的に参加してみてください。
ちなみにCodexの2022年の改訂ではHACCPのCCPを決めるデシジョンツリーも改訂されています。
食品表示もまた変わりそうだし。。置いてけぼりにならないように!
参考
「Codex 食品衛生の一般原則2020 -対訳と解説」という書籍が出ておりますので、そちらを読んでいただけると、
Codexの原文とその翻訳文が読めるので非常に勉強になると思います。
ご存じない方はこちらをまず読まれるのが良いかもしれません。
(こちらを購入頂いても弊社には1円の利益も出ません。あくまで資料としてのご紹介です。)